料理をする上で、とろみの代表と言えば片栗粉です。
しかし、たまにその役目がコーンスターチになる場合があります。
コーンスターチも片栗粉と同様とろみをつける事ができます。
では、その違いは何なのでしょう?
現在の片栗粉はジャガイモが原料
片栗粉は、もともと日本の山野に自生する多年生草本のカタクリ(ユリ科)の根からとった良質なデンプンのことでした。
それが同じデンプンということで、現在ではジャガイモを原料として作られたデンプンに「片栗粉」という名称が使われています。
ですから、現在の片栗粉はじゃがいものデンプン質と覚えておくといいでしょう。
英語でも「potato starch」と言います。
starch はデンプンのことです。
じゃがいもをスライスして、しばらく水に付けておくと、下に白い物質が沈殿します。
これが、片栗粉です。
コーンスターチはトウモロコシ
一方、コーンスターチはトウモロコシのデンプン質です。
英語では「corn starch」。コーン(トウモロコシ)のデンプン、そのままですね。
トウモロコシなのにどうして黄色じゃないの?という声も聞こえそうですが、黄色いのはトウモロコシの皮。
コーンスターチはトウモロコシの中身から抽出したデンプン質なので白い粉になります。
片栗粉とコーンスターチの違いは?
同じデンプン質でも、原材料が異なると当然、風味にも性質にも違いが出てきます。
片栗粉は、温度が下がると固まる性質があります。
あんかけや麻婆豆腐など、温かな料理に適しています。
コーンスターチは、温度が下がってもとろみが継続するので、カスタードクリームのとろみなどに向いています。
粘度が強いのは片栗粉です。
仕上がりでは、片栗粉は無色ですが、コーンスターチは不透明になります。
代用は可能?
料理を作っている時に、片栗粉かコーンスターチ、どちらかしかない時は代用は可能なのでしょうか?
風味の違いはありますが、大量に使用しなければ(よっぽど鼻の敏感な人でなければ)、芋っぽいとかトウモロコシっぽいという違いは判定できないので、少量であれば代用も可能です。
ただし仕上がりの点では、片栗粉が無色、コーンスターチは不透明になるので、透明感がほしい料理にはやはりコーンスターチは不向きです。