親等の数え方は?

普段の生活では縁のない「親等」という言葉ですが、いざ相続や結婚といった場面になると曖昧にはしておけない大事な言葉になってきます。
この「親等」はどうやって数えたらいいのでしょうか?

自分を中心に数える

親等の数え方は、自分自身を起点にしていますが、自分自身(本人)はカウントしません。
自分の親、自分の子はどちらも1親等です。

親等とは、親族間の近さの数え方です。
自分から見て祖父は2親等。曽祖父は3親等というように縦線はとてもわかりやすいのですが、兄弟や親戚が交じると少しずつ複雑になります。
ちなみに、兄弟は2親等になります。

親等の歴史

親等制ができたのは明治の初期です。
民法の制定と同時に、親等制が導入されました。
親等制における血族は6親等まで、家族としての傍系親等は3親等までとされたのもこの時です。

下の図でグレーの部分が直系、青い点線で囲まれているところが民法の規定による「家族」です。
赤い鎖点で囲んだ範囲が「血族」です。
配偶者の親、祖父母、曾祖父母も直系(姻族)です。
血の繋がりがある間柄は血族、婚姻で結ばれた家族は姻族と呼びます。
配偶者だけは特別で、姻族でも血族でもなく、シンプルに「配偶者」です。親等も「本人」と同じくカウントされません。
傍系の中でも兄弟姉妹や、甥・姪、おじおばは3親等なので、民法の「家族」に含まれます。
それぞれの配偶者も同じ親等です。
子や孫、曾孫らの配偶者は直系の姻族です。

親等図(クリックで拡大)

  • グレー背景 直系
  • 青い点線 民法の家族(直系と傍系3親等まで)
  • 赤い鎖点 血族(血の繋がる6親等まで)

直系と傍系

直系は、親等が上下に繋がっている間柄です。
自分を中心にすると、父母、祖父母、曽祖父母…と子供、孫、ひ孫…などです。
傍系は、祖先は同じだけど、上下につながらない間柄です。
兄弟姉妹、伯叔父母(おじおば)などです。
この関係では、兄弟姉妹ではすぐに父母が同じ祖先であり、伯叔父母(おじおば)は祖父母が同じ祖先になります。
自分を中心とする傍系親等は3親等までであり、伯叔父母(おじおば)までを指します。

親等の数え方

兄弟は2親等ですが、これは、自分→親→兄弟だからです。
横に動く時には、中継点がなくてはならない図になります。
ですから、親子を通って他の兄弟との親等関係になります
親子以外で一番近い関係になります。
では、いとこはどうでしょうか?
自分→親→祖父母→伯叔父母(おじおば)→いとこになります。
ということで、4親等であり、民法の「家族」ではないことがわかります。
「家族」ではありませんが、血のつながりがある6親等までは血族とされていますから、傍系血族と呼ぶことがあります。